随庵コレクション(第2回)
揺れが止まれば暖簾に鈴の紋 啓司
かまぼこ屋のちくわの竹が転がる音だ 啓司
帆柱の先に前を向いて鴎 啓司
流れるにぎり追って向かいの席の目と合う 裕子
楽屋鏡に笑って皺を書き込む 裕子
お年玉指おっている 幸市
白む空に月うずくまる ゆ
ジーンズの足をミニダックスが懸命に追う 昭代
カーナビに指された道が富士の真正面 昭代
針目途探す自分を見つけた 愛蓉
売出しの旗に店舗が無い 操子
お母さんおにぎり作ってもうまい 多喜夫
宿題のないお爺ちゃんでうらやましがられている 多喜夫
師走の耳にゴスペルのかすか 由紀子
師走の鰻屋に小さなツリー 由紀子
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