2013年3月9日土曜日

草原再訪(第3回)

         ・・・馬場古戸暢

 立ち枯れのすすきの向こうの町明り  敬雄
五・七・五の韻が心地よい句となった。この町はおそらく作者の住む町だろう。

 息子(こ)が弾くライブハウスの音にいる  裕子
「(こ)」のルビは不要か。しかし仲のよい母子だと思う。

 小春日和の庭先に苔だけの鉢もある  昭代
たくさんの鉢を育てていると、なかにはそういう鉢もある。それはそれでいいのである。

 正月の争いは根が深く弟よ  操子
家族の確執とはどうにこうにも解決しようがない。弟への呼びかけにいったい何が込められているのだろうか。

 砂場の足跡にも霜  啓司
公園での景か。昨日の子供たちの跡に、今朝は霜が舞い降りているのである。よくみつけたと思う。

 孫娘の見たくない裸みちゃった  多喜夫
孫娘の年齢によって解釈が変わるが、最後のみちゃったがなんともいえない余韻を残す。嫌われていないことを願う。

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