随庵コレクション(第4回)
白球ほどに弾んで若い胸元 幸市
夜の雪が目にきて白い 啓司
潮満ちてもやい網が潮にふれる 啓司
神さまも透けて見える神社の木立 ゆ
タバコの煙を急いで追い越す ゆ
ここにも犬ふぐりと遠くで呼んでいる 水娥
光琳の屏風見てからの春の海 水娥
両手ですくった水を花に墓に(顕信十七回忌) 敬雄
あたたかくなって雲高く流れる 敬雄
朝の階段にバッグが帰っている 裕子
桜餅食べる茶髪の卒業間近 裕子
言葉なくてなにもいわない(老人ホーム) 昭代
疲れた顔をしている渋谷駅の鏡 ふゆこ
棺桶を打つ釘がまがる へら彦
寝付くを待つベットの薄いふくらみ 操子
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