・・・馬場古戸暢
朝の浜辺の貝殻に影がある 啓司
浜辺を日常としている人の景だろう。そうでもないとなかなか気付けない。
帆柱の先に前を向いて鴎 啓司
なんとなく、米米クラブの浪漫飛行のPVを思い出した。
大晦日の小さな地球儀回している 裕子
今年最後の仕事を終えて、休んでいるところだろう。年も回るが世界も回る。
汗かいた笑顔が走って来た としこ
お孫さんかあるいは旦那さんかほかの誰かだろうか。元気な様が伝わってくる。
笑顔のまん中に冷酒 としこ
冷酒を囲んで一杯やっているところだろう。「冷酒を囲んで笑顔」でも面白い。
つくづく親の仕草のおさなご 幸市
お孫さんの景かと思う。自身の息子さんの仕草と似ているところをみつけたのだ。
自転車乗れてビデオの笑顔になる 幸市
自転車の練習の様をビデオで撮っていたのだろう。そういえば、このように成長記録をつける家庭が結構あることを、最近になって知って驚いた。
離れの渡り廊下を紅葉がくる 昭代
壁のない、外に出た渡り廊下だろう。紅葉に囲まれて、なかなか風流である。
露天風呂の海風に吹かれて浮く 昭代
「浮く」がよい。このまま海と一体化しそうだ。
老臭忘れて会話していた 多喜夫
なんともいえない読後感がある。なぜ忘れたことに気付いたのかが気になる。
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