・・・粟野賢太郎
寝床についた家族みんなの目に雨音 啓司
家族は不要だと思ったが、家族が入ることで中句が緩やかになり、幸せな一家の姿が見える。
炎ぼんやり神へ祈る 敬雄
熱心な祈りは火の如く。
戸を開け夜明け前の明るさに座る 敬雄
上句は不要。
大晦日の小さな地球儀回している 裕子
作者名を見ずとも女性の句とわかる。女人菩薩のような母性がある。
黄昏のすすけた風だ ゆ
すすけているのは、作者自身なのかもしれない。
満員電車に咳一つ ゆ
朝の田園都市線は体が浮く。咳に気づく余裕などない。随句らしい瞬間の句。
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